20091231/2009年「レコード大賞」の発表。

やっとこのネタにたどり着きました。さて、実はこのなんの権威もない賞は1992年に制定されたものでして、ここでざっと過去の受賞作品を振り返っておきましょう。

1992年:吉川晃司《せつなさを殺せない》
1993年:ザ・ブーム《島唄》
1994年:小沢健二《愛し愛されて生きるのさ》
1995年:Mr. Children《シーソーゲーム~勇敢な恋の歌》
1996年:(該当作品なし)
1997年:カジヒデキ《ラ・ブーム~だってMY BOOM IS ME~》
1998年:ゆず《夏色》
1999年:椎名林檎《翳りゆく部屋》
2000年:慎吾ママ《慎吾ママのおはロック》
2001年:ピチカート・ファイヴ『さえらジャポン』アルバム
2002年:RIP SLYME『TOKYO CLASSIC』アルバム
2003年:クレイジーケンバンド『777』アルバム
2004年:大塚愛《さくらんぼ》
2005年:YUKI《長い夢》
2006年:Def tech 《Power in da Musiq ~Understanding》
2007年:くるり『ワルツを踊れ~Tanz Walzer』アルバム
2008年:木村カエラ《Jasper》

さて、ちょっと昔話を。1980年ごろにFM東京系列で流されていた番組、小学館提供『音の仲間たち』という番組で、パーソナリティの糸井重里がこんなことを確か言っていました。

「聖子ちゃんの新曲《チェリー・ブラッサム》はとても難しい曲です。あんなに難しい曲がヒットするようになったのだから、日本の音楽も進んだもんだ」

いま、あの曲を聴いてもちっとも難しいとは思わない。当時の松田聖子のボーカルはほんとうに上手いのですが、あの曲がテクニックの面で難曲だとは思わない。ということはやっぱり日本の音楽のレベルが上がったということではないかと。

じゃ、この2009年という時代における難曲とはなにかと。糸井重里氏の発言から30年経ったいま、当時の《チェリー・ブラッサム》の位置にある曲は何か。「日本の音楽も進んだもんだ」というための論証となる曲は何か。

2009年「レコード大賞」:木村カエラ《Butterfly》

ここにも書きました。このメロディは歌唱用ではなく器楽曲です。楽器で演奏するべき旋律です。上の映像はライブで、演奏はちょっと不安定ですが、そんな中確実にこのメロディを歌い上げているカエラ嬢はやはりすごい。

「歌が上手い」ということを発言するには勇気が要ります。なぜならば「歌が上手い」の定義がたいへん曖昧だからです。また古い話ですが、田原俊彦の曲を書いていた某作曲家がこんなことを確か言っていました。

「歌の上手さの定義はなんなのですか? 自分の世界を表現できていればいいじゃないですか。もし俊ちゃんが下手だというのならミックジャガーも下手じゃないですか」

木村カエラや夏川りみなどの天才と言っても差し支えがないシンガーが出てきているのに、「歌が上手い」についての定義や理屈が、この発言の時代からまったく成熟していないのはどうしたことでしょう。

【音程×声量×歌い方】。このぐらいのとても簡単な数式でしょう。そして「音程」と「声量」は物理的に測定できる客観的な指標。「歌い方」のみが主観的な指標です。

主観的な「歌い方」を除外すれば、木村カエラは音程、声量ともに満点。《Butterfly》のような器楽曲のような複雑なメロディを音を外さずに歌える能力。遠くまで響きそうなタフで太い声量。完璧。

補足(1):「声量」について、ただ声が大きけりゃいいってもんではありません。ただ、声量があれば声の大小のコントロールで格段に表現力が高めることができます。大事なのは声量そのものよりも、そのコントロール力だと思っています。

補足(2):歌唱力についてこんだけ能書き垂れているオマエの歌のヒドさはなんだ? すいません、平にご容赦……

明日の紅白の話題はスーザン・ボイルですが、そんな遠くの国の「天使の歌声」よりも、この国の「カエラの歌声」をもっと大事に受け取りましょう。そういえば木村カエラも紅白出場、楽しみです。

というわけで、今年は木村カエラの歌唱力重視で、レコード大賞決定。これで彼女は2年連続の受賞です。むかし木村カエラのことを必要以上に称賛しすぎる風潮に否定的なコメントを書きましたが、いまは逆に、彼女のボーカルをもっともっと称賛するべきだと思い、このようなことを書きました。

今回も文章が冗長ですね。来年はシンプルにいきたいと思います。よいお年を。

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20091230/20年ぶりの半蔵門。

1989年の正月の半蔵門は、それはほんとうに暗くものものしい雰囲気でした。あと数日で昭和が終わる。警官が皇居を取り囲んでいて、バカ大学生のワタシはびくびくしながら歩いていました。

そのラジオ番組の名前は『東京ラジカルミステリーナイト』。いとうせいこうや藤原ヒロシらの人脈が取りしきっていた番組。その番組の制作サポートのような立場で、大学生があつめられ、『AUプロジェクト』と名付けられ、ちょいちょい番組に出演していました。

渋谷の街頭で街ゆくひとに「しりとり」を仕掛けるという、面白いような面白くないような企画の録音をしていたときに、マイクを持ってとっさに出た「芸名」が「スージー鈴木」。

また別の企画で、番組冒頭の1分間をそのプロジェクトに任せるというコーナーがあり、そこで不定期に流されていたのが『スージー・レイディオ・ショー』(とても低音質ですがクリックしてみてください。20年前のワタシの声です。real audio形式、64KB)。

番組は89年3月に終了。スージーくんはもう一度ラジオで話したい!と強く願いながらもその夢叶わず、翌年にサラリーマンに。願いかなって二足のわらじでFMヨコハマに出演するも(上記"radio days")、3年後にコーナー終了。そして本日。

「M-1評論家」(なんじゃそれ?)として、20年ぶりの半蔵門。ざんねんながら、その電波は東京では流れなかったのだが、仙台や山口や鹿児島でたしかに流れた(はず)。

いっぱしのラジオDJとして半蔵門に復帰という、人生の大逆転ホームラン―――ではなかったけれど、このようなポテンヒットのようなかたちでの復帰も、ワタシらしいといえばワタシらしい。

ダイノジの方々は弁舌するどく、ワタシが忌み嫌う、日本語がおぼつかない「バイリンギャル」が無思想にヒット曲を垂れ流すありがちなFM番組の対極をいく、理想的な番組。話したいことがすべて話せたという達成感。それを支えてくれた現場スタッフの方々のとても正しくいい空気。

考えたことを発表するということ。

野球やお笑いや音楽について、ひどくマニアックなことをさも人生の一大事のように考える。そして、それを誰彼かまわず話したい。プレゼンテーションしたい。

そんな、20年前から変わらない、ワタシの人生全般に対するモチベーションを、まだ半蔵門は受け入れてくれた。とてもいい日でした。ダイノジさん、スタッフの方々、そして聞いてくれたであろうリスナーの方々、ありがとうございました。感謝します。

その20年前は、ちょうどミカバンドの再結成に浮かれていたときです。そして今年は加藤和彦の悲しすぎる最期。でもそんな途方もない時の流れを超えて、ワタシはしたたかに生きていて、40を超えてもまだ、なんだかうさんくさい自説をマイクに向かって語っていた。

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20091226/2009年「MFP」の発表。

忙しいのかヒマなのか、今も大阪にいながら連日のサイト更新。今回は恒例の「MFP」(Most Funky Player)の発表です。ちなみに過去の受賞者は……

(年度:パ・リーグMFP/セ・リーグMFP)
2003年:小笠原道大(日本ハム)/今岡誠(阪神)
2004年:新庄剛志(北海道日本ハム)/古田敦也(ヤクルト)
2005年:西岡剛(千葉ロッテ)/下柳剛(阪神)
2006年:森本稀哲(北海道日本ハム)/藤川球児(阪神)
2007年:ダルビッシュ(北海道日本ハム)/荒木雅博(中日)
2008年:片岡易之(埼玉西武)/該当者なし

つまり、優秀な成績を残していながら、それ以上に鮮烈な印象、記録よりも記憶、そしてどこか笑えるようなポップさをもって「ファンキー」の定義としたセレクションです。

2009年パ・リーグMFP:糸井嘉男(北海道日本ハム)

MFP業界は日ハム強いですね。今季も日ハムから。日ハムの強さがミスをしない、緻密、確実、という方向で成熟してきて、そのこと自身はあまり好きな流れではないのです。

ダルビッシュは別格にしても、田中賢介、金子誠(よく頑張りましたが)的な、ともすれば「いぶし銀」(あまり好きではない言葉だ)な臭いがしてきたファイターズは趣味じゃない。

そんな中あらわれた、なんとも「荒けずり」(こちらは大好きな言葉)で無限の可能性を秘めた新星、それが糸井嘉男。これからは糸井といえば重里ではなく嘉男だ。

一昨年まで投手だったというのが信じられない、野手としての元気な動き。でも守備も打撃も、まだどことなくまだ「硬い」感じ、つまりまだ才能だけでやっている感じがして、そこがまたいいんですね。コイツ、本気出したらどこまで伸びるんだろう?っていう。

冗談じゃなく、存在自体がなんかキラっと光って見えるのです。別のオーラを発しているのです。ただ、同じように「硬」く、才能だけでやっている感じがしながら伸び悩んだ西浦や木元の例もあるので、ここはひとつ中田翔とともに、日ハムはこの無限の可能性を大切に育ててほしい。

2009年セ・リーグMFP:坂本勇人(巨人)

上の話とも共通しますが、二遊間といえばながらく「いぶし銀」という形容が褒め言葉となっていて、たとえば東京ヤクルト宮本などはその代表といえます。ただショートストップに関しては、それとは違う、やたら身体能力が高く、サッカーやっててもプロになっただろう感じの連中が目立ってきており、それが好ましい。

その流れは松井稼あたりから始まり、中島(西武)や、MFPを取ったこともある西岡(千葉ロッテ)が加速をつけた流れ。要するに元気で明るくて、気がついたらセンター前の打球を押さえている感じ(中島は守備はまだイマイチですが)。

その流れの中で、松井稼をwindows95とすれば、中島、西岡がXP、そして次の世代、windows7にあたるのが坂本ではないか。西岡よりも新しい。内蔵されているチップの処理速度が違う。

ワタシが好きな右投右打の一番打者というところもいいし、糸井と同じく、どこまで伸びるか分からない「伸びしろ」感もいいですね。

「いちばん東京ドームが似合わない巨人の選手」と言ってもいい。収まるところを知らない坂本の可能性をあの暗く狭いドームに閉じこめてしまうのはなんとももったいない。「いちばん天然芝の上でプレーさせたい巨人の選手」でもある。

―――というわけで、MFPを決めて、2009年シーズン完全終了。WBCにはじまり、あまりパっとしなかったシリーズで終わった今季も終わり。マリーンズ的には、ボビー解任や「横断幕問題」などもあり、2005年の甘美な思い出を完全に捨てさることを強いられたシーズン。顔をあらってまた出直しだ。

来季は野球で政権交代だ。あ、次回は、恒例の「レコード大賞」の発表です。たぶん。

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20091225/M-1審査員分析。

① 審査員別採点傾向分析

上沼のパンブー、ノンスタイル、カウスのナイツ、ハライチが全体に比べて特に高い。逆に松本のナイツ、ハリセンボンは特に低い。スージー鈴木は全体的に低すぎ。

② 審査員別採点相関分析

※相関係数:今回の場合でいえば、各漫才に対する採点の傾向が似ている度合いを示す数値。1.00点満点。

紳助と巨人、松本と上沼の相関係数が高く、採点傾向がとても似ていると言える。東は全体に相関係数が低い(上掲、85点~92点という、とてもレンジが狭い採点傾向による?)。東=スージーはとても低い相関係数=ほぼ無関係の関係。

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20091223/スージー鈴木、ラジオでM-1について大いに吠える。

ダイノジさんのご厚意で来週FMでM-1について語らせていただきます。

2010年12月29日(火)21時~JFN系列『ダイノジのSCHOOL NINE』にて。

■中継局
・FM青森
・Boy FM (FM山形)
・Date fm(エフエム仙台)
・ふくしまFM
・FM NIGATA
・FM GUNMA
・FM長野
・Radio 80(岐阜エフエム)
・FM三重
・e-radio(エフエム滋賀)
・FM岡山
・FMY(エフエム山口)
・RADIO BERRY(エフエム栃木)
・FM香川
・ミューエフエム(エフエム鹿児島)

ざんねんながら東京地区・大阪地区のネットはありませんが、ご興味のある向きは、すでにもう使っていない地上波アナログアンテナのコードをチューナーにぶっ指してキャッチしてみてください。

それにしてもM-1終了後、いろんな方がその結果や感想について意見しているのが、とても好ましいですね。たのしく、ただしいことだと思うのです。

議論が白熱してくると一部のオメデタイ方が登場して、「理屈じゃねーんだ、面白ければいいんだよ」みたいな発言で釘を刺す光景が、某SNSで見られますが、それは実につまらないことです。

ワタシたちは「批評する権利」があるのです。「なぜ」「どう」面白いかを議論するという、異常に豊かな文化を享受する権利があり、そしてtwitterなどの環境進化は、ありがたいことに、その議論を簡便化、高速化してくれます。

お笑いは、野球や音楽と同じく、多面的な解釈に耐えうるエンタテインメントです。「チンポジ」について多面的な解釈を戦わせる。なんと素晴らしいことでしょう!

ワタシの「リアルタイム中継」がそんな議論のキッカケになれば、最高に幸せです。さらにそんなキッカケの種を日本全国にばらまくために、20年ぶりに半蔵門のスタジオに入ります。

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20091221/M-1グランプリ2009観戦記(速報)

お疲れ様でした。誰に? いや私に。ではまずは予想の検証を。

【2009】
<予想>優勝:パンクブーブー 2位:ナイツ 3位:笑い飯 敗者復活:銀シャリ,とろサーモン,オリエンタルラジオ,磁石,ダイアン,ヘッドライト
<結果>優勝:パンクブーブー 2位:笑い飯(1stラウンド得点より) 3位:敗者復活(NON STYLE)
→優勝=○ 最終決戦(1~3位)=2/3組 敗者復活=×

【過去6年計】
→優勝=2/6組 最終決戦(1~3位)=11/18組 敗者復活=2/4組

今回もなかなかいい感じの予想でした。06年以来の優勝当て。あ、最終決戦も2組当たりということで、通算の予想勝率も上昇。敗者復活は外しました。

詳しい分析は、今度公共の電波で話すとして(ありがたいことにダイノジさんのラジオ番組に呼んでいただきました)、ここでは箇条書きで。

・パンクブーブーの優勝はめでたい。ワタシの好きな「テキストの笑い」であり、それ以前によく練り込まれていた。そして何よりも新顔ということ。

・新顔=つまりM-1が新しい笑いを生み出す装置という、本来の機能を果たしたということがまず嬉しい。

・ワタシのリアルタイム審査の結果(1stラウンド)は、パンクブーブー90点、ナイツ80点、ハライチ78点、笑い飯75点。

・というわけで笑い飯の1stラウンド得点(668点)は高すぎたと思う。少なくとも審査員はぜったいに100点を出しちゃいけないだろう。ならば「基準点」をもっと下げないと。

・なぜ南海キャンディーズやハリセンボンが出てきたのか。準決勝は観ていないが、根本的な審査システムの不備があると思う(ハリセンボンについては事前予想が当たったが、こんなのまったく嬉しくない)

・敗者復活のPOISON GIRL BANDはすごかった。NON STYLEより格段に面白かった。

・敗者復活での発見は、「天狗」。「ヘッドライト」とともに来年が楽しみ。

・とろサーモン、ダイアンはもうこれで終わってしまうのか? あれだけ応援しつづけたのに。

・スカイA、およびネットの敗者復活の中継が途中で終わってしまったのはどういうことだ? その上16時からの地上波、ネタをいっさい見せない敗者復活中継は醜悪だった(『探偵!ナイトスクープ』『熱闘甲子園』含め、このサイトで大阪朝日放送を持ち上げつづけたワタシへの冒涜だ。猛省を)

以上です。以下参考資料です。なんの参考になるか分かりませんが(笑)

スージー鈴木リアルタイム審査データ(excel 26KB)

スージー鈴木リアルタイムつぶやき集(twilog)

ま、いろいろありましたが、結局のところ、今年もとても愉しめました。ではまた来年! がんばれパンクブーブー! めげるなナイツ! そして来年こそは、ハライチ、天狗、ヘッドライト!

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20091220/M-1敗者復活戦、独断の審査結果。

こちらを(excelファイル)。それにしてもネット中継もCS中継も16時に終わって、16時からの地上波は、くだらないゲストと不要なドキュメント映像の垂れ流し。

お前らの番組を、お前らが思ってるよりも必死で観ている人々がたくさんいるんだよ。事件は大井競馬場の舞台で起きていたんだよ。

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20091219/M-1いよいよ明日!

20091213/M-1結果予想(最終版)。

まず最初に告知します。今回Twitterという武器を手に入れたので、新しい試みをやってみます。題して【M-1リアルタイム中継byスージー鈴木 on Twitter】

昨年の「おわライター」ラリー遠田氏のように、敗者復活からの全漫才をTwitterを使ってスージー鈴木がリアルタイムで評論・審査します。フォーマットはこんな感じで。

【#27.ヘッドライト】「ライブハウスで筑前煮」(ラブストーリーは突然に)=オモロイ! ただしツッコミが弱い(73点)

ぜひぜひ"suziegroove"(スージー鈴木)を「フォロー」してください。12/20(日)正午からオンエア!

||http://twitter.com/suziegroove||

さて、決勝進出者も決まったので今年の最終予想。その前に少し長くなりますが、まずは過去5回の予想を集計してみます。

【2004】
<予想>優勝:タカアンドトシ 2位:アンタッチャブル 3位:笑い飯
<結果>優勝:アンタッチャブル 2位:南海キャンディーズ 3位:麒麟
→優勝=× 最終決戦(1~3位)=1/3組

【2005】
<予想>優勝:品川庄司 2位:ブラックマヨネーズ 3位:敗者復活
<結果>優勝:ブラックマヨネーズ 2位:笑い飯  3位:麒麟
→優勝=× 最終決戦(1~3位)=1/3組

【2006】(この年から敗者復活も予想)
<予想>優勝:チュートリアル 2位:フットボールアワー 3位:麒麟
敗者復活:サンドウィッチマン,ダイアン,東京ダイナマイト,とろサーモン
<結果>優勝:チュートリアル 2位:フットボールアワー 3位:麒麟 敗者復活:ライセンス
→優勝=○ 最終決戦(1~3位)=3/3組 敗者復活=×

【2007】
<予想>優勝:トータルテンボス 2位:敗者復活 3位:ダイアン
敗者復活:とろサーモン,キャン×キャン,サンドウィッチマン,三拍子,麒麟,ギャロップ
<結果>優勝:サンドウィッチマン(敗者復活) 2位:トータルテンボス 3位:キングコング
→優勝=× 最終決戦(1~3位)=2/3組 敗者復活=○

【2008】
<予想>優勝:ナイツ 2位:ダイアン 3位:敗者復活 敗者復活:とろサーモン,オードリー,ギャロップ,イシバシハザマ
<結果>優勝:NON STYLE 2位:オードリー(敗者復活) 3位:ナイツ
→優勝=× 最終決戦(1~3位)=2/3組 敗者復活=○

【過去5年計】
→優勝=1/5組 最終決戦(1~3位)=9/15組 敗者復活=2/3組

さすがに優勝予想は難しいのですね。正解は2006年のチュートリアルのみ。ただし最終決戦(1~3位)に残る3組の予想は9/15組で6割は的中させています。ここ3回に絞れば7/9組ですから、ほとんど当たっている。同3回では敗者復活も2回当てている(サンドウィッチマン、オードリー)。

で、自分の予想を見てつくづく自分の「新しいモノ好き」という傾向が分かります。その年その年で自分にとって「新しい笑い」のあり方だと思った漫才を上位に挙げている。あと自分の趣味である「テキストの笑い」重視。逆に「ムービーの笑い」であるNON STYLEやキングコングは外している。

さいきんやっと分かったのですが、漫才って、音楽と違って観る側にとって枯渇のスピードがとても早い。いちど大笑いした漫才も二度三度観たいとは思わない。極論すれば1回で枯渇してしまうわけです。

ということは、自分の好きな笑いを上位に予想するという人情があれば、自分にとっての「新しい笑い」を上位に予想してしまう。予想せざるを得なくなる(そんな人情を無くして冷徹に予想してもいいのですが、別にプロの予想師じゃないからね)。

【2009年予想】
優勝:パンクブーブー
2位:ナイツ
3位:笑い飯

4位:モンスターエンジン
5位:東京ダイナマイト
6位:敗者復活
7位:南海キャンディーズ
8位:ハライチ
9位:ハリセンボン

<敗者復活(可能性順)>
1.銀シャリ
2.とろサーモン
3.オリエンタルラジオ
4.磁石
5.ダイアン
6.ヘッドライト

パンクブーブーについては、実はそんなに好きではないのです。アンタッチャブルの後継に見えるし、個人的にはそんなに「新しい笑い」でもない。ただ今回の、とても既視感がある8組の中ではいちばん新鮮だ(ハライチのほうがより新鮮だが、優勝は無理だろう)。

だからパンクブーブーに優勝してもらわないと、M-1が、ひいては日本の漫才自体が、次の時代へのドアを開けることが出来なくなる。いまさら笑い飯や南海キャンディーズが優勝してもなにも起こらない。

敗者復活は今回とても難しい。一昨年のサンドウィッチマン(ただし07年冬時点での彼らの知名度はゼロだった)や昨年のオードリーのような、鈴木が予想しえたような強力なコンビが見あたらない。というわけで、上記と同じく「新しい笑い」を観たい!という個人的願望も含めて銀シャリで。でもそろそろ、とろサーモンも頑張ってくれないと困る。大穴はヘッドライト。

一週間後かぁ。なぜか緊張してきた。では当日、Twitterでお待ちしています。

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20091207/日本でいちばん早いM-1結果予想。

いよいよ明日M-1グランプリ決勝戦進出者発表。ここではそれに先駆けて、決勝戦進出者だけでなくその順位も予想してしまいましょう。

<決勝戦進出者および当日順位予想>

1.パンクブーブー(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 東京)
2.ナイツ(マセキ芸能社)
3.NON STYLE(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 東京)
4.敗者復活
5.U字工事(アミーパーク)
6.モンスターエンジン(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 大阪)
7.磁石(ホリプロコム)
8.ハライチ(ワタナベエンターテインメント)
9.ダイアン(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 大阪)

<敗者復活者予想・可能性順>

1.オリエンタルラジオ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 東京)
2.笑い飯(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 大阪)
3.銀シャリ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 大阪)
4.ヘッドライト(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 大阪)
5.とろサーモン(よしもとクリエイティブ・エージェンシー 大阪)
6.タイムマシーン3号(アップフロントエージェンシー)

12/8追記:<決勝戦進出者・出番順>公式サイトより(下線鈴木予想的中)

ナイツ(マセキ芸能社)
南海キャンディーズ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
東京ダイナマイト(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
ハリセンボン(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
笑い飯(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
ハライチ(ワタナベエンターテインメント)
モンスターエンジン(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
パンクブーブー(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)

「サンドウィッチマンの優勝によって(中略)新しい笑いを創造することよりも、単純に目の前の観客を笑わせることが重視されるようになってきた」(ラリー遠田氏「M-1グランプリ進化論」)。いや、M-1は笑いのイノベーション原理主義でなくては。がんばれ、パンクブーブー。


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20091206/音楽の本質を語ろう。

テレビ出演も無事終わりました。40分ほどにおよぶ、初の長時間出演、それも生放送。素人としては得難い体験でした。まだ再放送が本日(12月6日)の18時からあるみたいです。チャンスがあれば是非。

さて、MUSIC MAGAZINEの「追悼特集 加藤和彦」を期待して買いました。でもあまり面白くなかった。

表紙の一文が象徴的なのです。「スタイリッシュに日本の音楽シーンを塗り替えた才人の軌跡」―――「スタイリッシュ」「才人」。このような言葉を使っている時点で、結局とてもありがちでありていな加藤和彦論になることは見えているわけです。

小倉エージなど、彼のそばにいて、彼のことをとてもよく知っているはずの人が書くのであれば、もっと新しい、独自の書き方をしてほしかったのに。期待したのに。

話は変わりますが、ザ・ブルーハーツの《キスしてほしい》を使っている洗剤のCMが気になります。またカーナビのCM、クルマに乗っている連中が、奥田民生《イージューライダー》を歌って、合間に「(ぼくらの自由をー)♪ハイハイ」と入れているやつにもちょっとした違和感を感じます。

うまくいえないけど、《キスしてほしい》はCMソングに使うべきではないと思う。《イージューライダー》は、ま、使ってもいいけど、もっと大切な取り扱い方をするべき曲のような気がする。

このような曲をCMに使っちゃう背景として、「ブルーハーツはカラオケで大騒ぎするような元気な曲を歌っていたバンド」「奥田民生はドライブにぴったりのロックを歌うシンガー」みたいな、とても薄っぺらい、表面的な通念があると思うのです。

普通の人がそのように考えるのは否定しませんが、広告を作ったり、音楽を評論したりという、音楽についてある特権的な立場にいる人々は、少なくとも扱う音楽について一般的な通念をぶちこわすような本質的な理解をして、それを表明する義務があるのではないですか?

ワタシは観ていないけど(観たかったけど)マイケル・ジャクソンの映画があれだけ流行るのは、「マイケル・ジャクソンは白人志向の変態」みたいな、薄っぺらを超えて犯罪的な通念をぶち壊し、シンガーとしての彼に初めて気づかされるパワーがあるからでしょう。

ほんとうの加藤和彦を、ほんとうのブルーハーツを、ほんとうの奥田民生を語ろう。彼らの周辺にいる連中が語らない、語れないのなら、軽い腰をあげてスージーさまが書いちゃうよ。会ったこともないし、それ以前に彼らのすべての作品を知ってるわけではないけれど。

スピーカー越しだけの関係のほうが、彼らの本質に迫れるような気もするし、たぶんいちばん重要なのは、対象に対して考えたことの広さと深さだろうし。

スージー鈴木、そこではそうとういい勝負が出来る自信があります。

追記:「追悼特集 加藤和彦」で唯一の発見は、加藤和彦が当時、はっぴいえんど『ゆでめん』を激賞していたというくだり。以降の音楽活動ははっぴいえんどをものすごく意識していたというワタシの仮説との合致。ミカバンド《ダンス・ハ・スンダ》は《はいからはくち》のアンサーソングだと思ってる。

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20091128/漢字ではなくひらがなで伝えよう。

ふと思ったのですが、最近、主に名前を書くときに旧字(っていうのでしょうか? 画数が多い方の漢字)を使う人が増えてませんか?

つまりは「澤」とか「廣」のことです。昔に比べて増えたなと確信したキッカケは、小林信彦の『黒澤明という時代』 を読んでいて、その中で引用されている昔の本の中で、やたらに「黒"沢"明」と書かれていることを知ったからです。

で、この背景にはぜったいにパソコンの普及があると思うのです。簡単な話で、「澤」と手で書くのは面倒だけど、パソコンなら「沢」も「澤」も手間は変わらないですから。

ただ、ワタシはこのような風潮、あまり好きではないのです。ま、名前については、個人の尊厳に関わることなのでいちがいに旧字はダメのはどうかと思うので措いておくとして、それよりも、パソコンを使うことで、漢字を濫用する文章が増えてきたということを問題にしたい。

ここでいう漢字濫用の問題は主に、画数の多い、難しい熟語―――つまり(やまとことばではなく)明治以降に人工的に作られた翻訳語の濫用を指すのですが。

小林信彦、海老沢泰久、沢木耕太郎。ワタシが愛する日本語の使い手は、やっぱり、ひらがなのやまとことばの絶妙な使い手ですよ。もしかしたら「手書き世代」だからかも知れないけれど。

いいたいことは、パソコンで手っ取り早いからといって、ついつい熟語を濫用していると伝わらなくなっちゃうよ、忙しい日々の中でも何かを伝えようとしてパソコンに向かっているのであれば、伝わる日本語で書こうよ、ということです。いや自戒を込めて。

「我々がコミュニケートしなければならないのは、きっとどこかに居るであろう自分のことをわかってくれる素敵な貴方ではなく、目の前に居るひとつも話が通じない最悪のその人なのである。」(渋谷陽一『音楽が終わった後に』より)

高校時代にこの文章に出会って、頭を鈍器で殴られたような刺激を受けたスージー鈴木としては、歴史の中で日本人がもっとも自分の情報を発信している時代の中で、このような問題意識に至るわけです。

沢木耕太郎は澤木耕太郎ではない。そしてブログの女王は真鍋かおりではなく眞鍋かをりだ。

てか、そんな問題意識を書き連ねたこの記事も、もっともっと分かりやすく、ひらがなで書けるな。反省。

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20091125/今年2回目のテレビ出演。

このときにつづいて2回目のテレビ出演。CS局フジテレビONEにて、来週月曜(11/30)19時からの生放送、『プロ野球ここだけの話』に。台本を読みましたが、谷沢健一、田尾安志、しゅりんぷ池田氏+スージー鈴木、と。楽しみです。以上、ご報告。

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20091121/新曲についてスージー氏大いに語る(8)

待望のスージー鈴木の新曲がまたまたまた発表された。題して《おねがいタイムマシン!》

―――加藤和彦の追悼?
そうです。ここにも書いたように、いやあからさまには書いてませんが、とてもショックだったわけです。なぜならミカバンドの『黒船』は『風街ろまん』の次によく聴いたアルバムで、もうほんとうに一時期、加藤和彦氏のことを考えつづけて生きていたころがあったわけでして。

―――言うまでもなく《タイムマシンにおねがい》のパロディですね。スージーさんのフェイバリット?
いえ、ミカバンドのフェイバリットは、ぜったいにぜったいに《塀までひとっとび》。それもロンドン公演の英語バージョン、《suki suki suki》。94年にはバンドでカバーもしましたし。でもね、弾けないですよ、あれは。後藤次利のベース、すごすぎる。ま、それ以前にいま、うちのベースの弦切れてるし。

―――加藤和彦氏の魅力をひとことでいえば?
アイデアマン。音楽を音楽だけで捉えずに、ファッションや食などのクロス・カルチャーの中で捉えられるめずらしい人。だからミュージシャンズ・ミュージシャン的なことを追悼で言ってる人が多かったけど、あれ違うと思う。そんな人じゃない。

―――今回、録音してみてどうでした?
やっぱり原曲の音作りがすごい。演奏もさることながら、録音がいいですね。クリス・トーマスの手腕かなぁ。ドラムの音とか、日本のスタジオでの録音とは思えない。うちのポンコツ8chでいっしょうけんめい、あの音を再現しようとがんばりましたが……

―――加藤和彦のオールタイム・フェイバリットは?
うーむ。安直に聞こえるかも知れないけれど《あの素晴らしい愛をもう一度》かな? あの曲はイントロがとてもいいんですよねー。アコースティックギターの音圧。どうやって録音したんだろう? あ、YUKI(岡崎友紀)の《DO YOU REMEMBER ME?》もよろしい。いずれにしても、シンガー、作曲家、プレイヤーというよりも、音楽を通じて、ある価値観、時代の空気を作ってる感じが、彼の真骨頂かと。

おねがいタイムマシン!

作詞・作曲:スージー鈴木

さあ 暗い時代からめくるめく過去へ
さあ はやく逃げるようにスウィッチをまわせ

後楽園はすしづめ
ベーブルースのホームラン
モダンボーイがよろこび
銀座は華のパレード
タイムマシンに飛び乗れ

さあ 夢に満たされたすてきな歴史へ
さあ すべてを忘れてすぐにとびのれば

博多の粋な獅子たち
ダイナミックな三連覇
自由と誇り溢れて
歓声にわくよ平和台
タイムマシンに今すぐ

好きな時代に行けるよ
時間のフェンスをひとっとび
好きな時代に行けるよ
あの伝説のゲームまで
タイムマシンに 飛び乗れ

さあ 暗い時代からめくるめく過去へ
さあ はやく逃げるようにスウィッチをまわせ

バックスクリーン三発
狂喜乱舞の道頓堀
浜風 派手に吹き荒れ
縦縞 浪速 エクスタシー

タイムマシンに 飛び乗れ
タイムマシンに いますぐ
タイムマシンに 飛び乗れ
タイムマシンに いますぐ
タイムマシンに 飛び乗れ
タイムマシンに いますぐ
タイムマシンに 飛び乗れ
タイムマシンに いますぐ
タイム!

―――では、最後に、天国の加藤和彦さんにメッセージを。
天国で、最高級のワインで泥酔して、「出て行けー」と怒られて、また地上に落ちてこないでしょうか? あ、確か一時、細野晴臣ってミカバンドにいたんですよね。トノバン=ハリーの1947年生まれ同期セッションが見たい……

というわけで、新曲を発表したスージー鈴木氏への単独インタビューをお届けした。次回の新曲も待ち遠しいところである(編集部)

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20091115/賢介、ブッシュを撃て!!

まったく知らなかったが、「賢介、ブッシュを撃て!!」というタイトルの抗議行動があったらしい。

日本シリーズ第3戦で始球式をつとめたブッシュ元大統領。その来日に合わせて上記タイトルの抗議行動が行われたらしい。始球式のときの打者は日ハムの一番バッター、田中賢介。始球式のボールを、ブッシュめがけて打って(撃って)しまえ!ということだろう。

なんとポップなタイトル! 世の中に対する疑義申し立ては、これくらいポップじゃなきゃいけないんだよ、千葉ロッテ応援団諸君。

さて、ワタシはかねてから述べているように、アメリカ嫌いです。昔、『週刊ベースボール』にこんな原稿を書きました。

『Jackie Robinson: Stealing Home (A Musical Tribute)』

「アメリカの野球と音楽は大好きだ。でもアメリカという国は大嫌いだ」・・・というと必ず 怪訝な顔をされるのだが。

物騒なことを書くが、基本的にアメリカは白人の国であり、戦争の国だと思う。

白人が黒人を奴隷として扱ってきた国。「有色人種」が先住していた北米大陸、ハワイを収奪し続け、さらに今でも(発見すらできなかった)「大量破壊兵器」にイチャモンをつけてイラクを攻撃する国。

実は、野球と音楽は、このような真実を覆い隠し、「自由と平和のアメリカ」というイメージを醸成させる「装置」として機能しているのだ。

様々な国からの選手が平等に競っている野球・・・自由だ! 黒人のビートが席巻している音楽シーン・・・平和だ!

野球と音楽が「装置」となっていることと同時に、「装置」自体の発生からまだ日が浅いことも知っておくべきだと思う。

来年(註:2007年)は、ジャッキー・ロビンソンが黒人初のメジャー選手としてデビューしてから60周年。黒人と白人混成ということがとても驚かれたスライ&ファミリーストーンの結成から40周年。

アメリカの野球と音楽で、白人と黒人の融合が示されたのは、たった数十年前の話なのだ。

ジャッキーのメジャーデビュー50周年を記念して97年に発売されたCD。様々な黒人音楽が入っているが、光るのはやはりスライの名曲『スタンド!』。

「アメリカの野球と音楽は大好きだ。特に人種の壁を超える”プレー”は、大好きだ」

野球ファンは、未だにメジャーリーグ、ひいてはアメリカを、盲目的に崇拝するきらいがあって、ワタシはそれを不愉快に思う。長打力はともかく、とくに内野守備なんかはぜったいに日本の方が上だ。荒木・井端は、メジャーでも最強の二遊間になれる。

噂を聞くかぎり、ブッシュの始球式は好意的に受け取られたようだ。さらには、ブッシュといっしょに観戦していた小泉純一郎には「みんな手を振って大盛り上がり」だったそうだ。

なんで遠い国で起きたサブプライムローン問題がここまで日本が貧しくならなきゃいけないんだよ? その背景には、アメリカべったり、アメリカ様々の経済政策がある。

首からセキュリティカードぶらさげて、東京のオフィス街を闊歩する白人サラリーマンのあの多さを見よ。彼らを手放しで迎え入れてきたこの10年。

そして、それを推進した、ブッシュと小泉純一郎。

なーんだ。野球は、この国でも「自由と平和の日本」というイメージを醸成させる「装置」として機能しているのか。

「有色人種はつぶせ 都合よくルール作れ 自分のミスは認めず それがアメリカ魂」 (ザ・ハイロウズ《アメリカ魂》 作詞:真島昌利 アルバム『angel beetle』より)

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20091108/もうひとりの「のぶひこ」氏に励まされる。

ダイノジ大谷ノブ彦さんのブログ。ここまで褒められれば応えざるを得ません(「スージー鈴木さんからメールがきた!!」参照)。自慢を通り越して恐縮です。というわけで、そうとう久々の連日更新。

ということもあり、改めて氏のブログのアーカイブを読んでいけば興味深い記事が。

僕のユニコーンベスト
「車も電話もないけれど」
・一番いい曲

あら。これはスージー鈴木のベストと同じじゃないですか!(ウソではありません。この記事参照) ユニコーン・ファン多しといえど、《車も電話もないけれど》をベストとする派閥はせいぜい5%程度でしょう(笑)

一介の無名ライター&サラリーマンが、M-1のファイナリストと通じることが出来る。《車も電話もないけれど》を通して、一発で分かり合える。インターネットって素晴らしい。

ネットを通じて大滝詠一氏とメールをやりとりし、挙げ句の果てに12年前、大滝氏のラジオ番組に生出演したときの感動が、いままた甦ります。大滝氏……あっ、この方も「ダイノジ」だ。

小林「信彦」を目指して書きつづけてきたこの日記。もうひとりの「ノブ彦」氏に、実際に読まれているこの日記。気合い入れて書きつづけないと。

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20091107/とてもつまらなかった日本シリーズ。

今さっき終わりました。日本シリーズ。ひさびさの凡戦ならぬ凡シリーズ。個人的には2004年の西武=中日以来の手応えのなさ。

巨人、北海道日本ハムという、(いまや)常勝チーム同士のカードということも大きいのですが(巨人=東北楽天だったら…と考えてみられよ)、それ以上の戦犯がいると感じました。

東京ドーム。

そうです。狭すぎるのです。wikipediaによれば左右中間が110 m。これ一説には藤井寺球場と同じ。

だから、第3~5戦の「空中戦」がその名に反してちっともダイナミックな打撃戦に見えなかった。そりゃ、イ・スンヨプの一発など、数本は特大の本塁打があったけど、それ以外のフェンスギリギリの一打なんて、ほんとうにショボい。

わたしのようなテレビ観戦の「見巧者」は、打った瞬間の角度と音で、本塁打かどうかを判断できる。しかし本シリーズの「東京ドームラン」の大半は、インパクトの瞬間、「あ、外野フライか」と思ったもの。

日本最高の頂上決戦。その勝敗が、そんな「ドームラン」によって決するとしたら、あまりになさけない。

今すぐ改修工事で、左右中間をひろげてほしい。あと、できるものなら、ついでにあの、うすぎたなく辛気くさい白い屋根も変えてほしいものです。デーゲームのとき、あの屋根を見ていると暗澹たる気持ちになるし。

今季、東京ドーム、巨人対東京ヤクルト。ヤクルトが9回裏二死まで抑えたあとに小笠原の「天井直撃」のヒットで同点に。その後にヤクルトの先発、ユウキが言った(らしい)ひとこと―――「あんなの野球じゃない……人の人生何だと思っているんだ」(検索しても記事見つからずウロ覚えで書きますが)

まぁ、屋根の問題はひとまず措くとしても、狭さゆえに必然的に「空中戦」になってしまう野球、否、「屋球」も、「あんなの野球じゃねぇよ!」。

ただ、日ハム小谷野と巨人坂本の守備は、ほんとうにホレボレした。それだけが今回のシリーズのいい印象点。あと、ダルビッシュが下手に再登板しなくてよかった。ケガが悪化して、来季彼のピッチングが見られなくなったら残念だもの。

というわけで、シーズン完全終了。お疲れまでした、オレ。

追記:ダイノジ大谷ノブ彦さんのブログで取り上げられました。ありがたいことです。コチラを。

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20091031/ビートルズはやっぱり最高だ。

リマスター盤発売を契機に、ビートルズの謎をたどる旅もいよいよ最終章。沢木耕太郎がポルトガルの浜辺で旅の終わりを感じたように(『深夜特急』より)、今回、旅の終わりをワタシに突きつけた本はこれだ。

いわゆる「リマスター便乗本」の中で最高峰。もう、ほんとうにいろんなことがよく分かる。リミックスとリマスターの違いから、今回のリマスターが作られた経緯、あと、別に興味はないが、パティ・ボイドのインタビューまで(!!)、おなかいっぱいになる一冊。

今回、ビートルズ関連の本をいっぱい読んで、ビートルズのことをいっぱいいっぱい考えて、出た結論は、あまりに浅はかで薄っぺらいもの。「ビートルズはやっぱり最高だ。」

おもしろいからもっと続けてみる。「ビートルズはやっぱり最高。とくに『アビイ・ロード』は最高だ。『サージェント・ペパーズ』もすごすぎる。ポールのベースは上手すぎるな。ジョンのボーカルもなんて上手いんだろう。」……もうほんとうにアホの子の独り言みたいだが。

「アホの子の独り言」は、やっぱりアホみたいだから、若いころには、ストーンズとか、レッド・ツェッペリンとか、ちょっと賢く見えるバンドの音に傾いたこともある。たしかにそれなりにいいものもあったが、決定的ではなかった。心の中ではやっぱり『アビイ・ロード』がいちばんだった。

もう年も取ったし、アホならアホで結構。音楽も、野球も、お笑いも、いちばん好きなものを堂々と表明して生きていきたい。ビートルズと、千葉ロッテマリーンズと、ますだおかだでごはんは何杯でも食えるぞ。ワタシは。

ポールよりも上手いベーシストはたくさんいるだろう。ジョンよりも歌が上手いシンガーもキラ星のごとくいる。ただし「リマスター便乗本」を読んで確信したのは、ビートルズほど、自由に、奔放に音作りをしたバンドはいない。ビートルズに比べたら、ツェッペリンなんて様式美だ。ストーンズなんて、単なるパロディ・バンドだ。

で、便乗本、実は読めば読むほど新たな謎が広がっていくのである。それは、彼らが結局、単なる思いつきでいろいろやっているからだ。

1958年の日本シリーズ、西鉄の稲尾が、巨人の長嶋の狙い球が分からず痛打される。その夜稲尾は真実をひらめく。「長嶋は狙い球どころか、いっさい何も考えずに打席に立っているのではないか」。そしたら、ということで稲尾も何も考えず投げたら、長嶋を抑えることが出来た、という話がある。

今ワタシは、この心境に近い。もう謎は謎のままで放置しておこう。ただビートルズの音に任せて聞いていればいい。ビートルズといっしょに死ぬまで生きていく。棺桶には『アビイ・ロード』。そんな気分だ。

というわけで、結局『アビイ・ロード』と『サージェント・ペパーズ』以外のリマスター盤はまだ買っていない。買いたくなったら買うさ。それよりもこの本をもう一度アタマから読んでみようと思う。

(翌日追記)あ、こんな気分のことを歌ったのが《Only a Northern Song》(たかがビートルズの歌じゃないか)なのか!

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20091025/アトランダム。

パ・リーグのクライマックス・シリーズ最終戦。8回裏、楽天絶体絶命の場面、負ければこの試合が楽天監督として最後の采配となる野村克也が、バッテリーを岩隈=藤井に変えた。この2人、ハンサムとブサイクという違いはあれど、両方とも近鉄出身で、つまり敵将、梨田の教え子ということになる。結果はスレッジに決定的なスリーランを浴びたが、この瞬間、日本ハム対楽天が、近鉄対近鉄に変わった。ご参考=佐野正幸氏「完璧に『近鉄』の試合でした。」

加藤和彦、長年うつ病を患っていたことと、金銭難だったことも語られはじめた。前者は知らなかったが、後者はなんとなくそうではないかと思っていた。それ以前に加藤和彦=リッチという偶像が、安易に語られすぎていたと思う。また、うつ病と金銭難という前提があるのであれば、前回原稿に少し手を入れたくなってくる。掲示板の「ニール・オールド」さんのご意見もあり(ありがとうございます)、「ミカエラバンド」や「和幸」の音楽に対する主観的評価はまったく変わらないものの、加藤和彦のことをもう少し冷静に考えてみたいと思う。ご参考=日刊サイゾー「うつ病、多額の借金も......加藤和彦自殺でJポップ界に広がる老後不安」

その他ランダムに。新大阪でとてもディープな野球話に花が咲いた。新幹線の最終がこんなにうらめしく思ったのは初めて。YUIの《It’s all too much》という曲がいい。NHK『ウェルかめ』のテーマソング。aikoは歌が上手いのにメロディがダメ。どこがサビなんだ? 巨人対日本ハムの日本シリーズ、ネーミング決定!……『モナ岡シリーズ』。

夏川りみ、つま恋サマーピクニック《Amazing Grace》。2009年の日本でいちばん歌が上手い歌手。《Amazing Grace》を歌うのは免許制にしたほうがいい。中島美嘉の同曲を発売禁止にしたくなる。

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20091017/「一番背の高い日本人」のこと。

「モーレツからビューティフルへ。」―――1970年、富士ゼロックスの伝説のCMを、大学や研修など、教育的な現場で必ず見せる。そのCMの中で、「beautiful」という紙を持ち、イカれた格好で銀座を歩いている男が彼だ。

1970年という時代の転換点。その時代のもっとも先鋭的な部分を表現したこの映像。これはまた、彼が、これから時代の寵児としてぎらぎらと輝くという狼煙でもあった。

と書くと、サディスティック・ミカバンドの音楽について語るのではないかと思われるかも知れないが、1970年代における彼の「輝き」は、もっと表面的で浮薄なものである。

ドノヴァンで、グラムロックで、ロンドンブーツで、ロキシーミュージックで、レゲエで、シンガポールで、バハマな彼の1970年代。新しければ、気持ちよければなんでもいい。興味が向いたらなんでも喰ってしまえ。

たしかに音楽家というも一流だったが、「作品」として突き詰められたものというよりも、アイディアのみずみずしさだけで勝負されたものが多い。

ちなみに、こんなことは追悼報道で誰も言わないと思うが、音楽家としては、アコースティック・ギタリストとしてもっとも優れていると思うのだが。

1970年代、まだまだカルチャー鎖国だったニッポン。彼のアンテナがキャッチした、ドノヴァンで、グラムロックで、ロンドンブーツなアイディアが、この国のカルチャーをすこしずつ極彩色に変えていった。

さて、木村カエラや坂崎幸之助などとのコラボレーションを、ワタシはとても不愉快な思いで見つめていた。晩節を汚しているとまで思った。

「音楽でやるべきことがなくなった」という言葉を遺していたらしい。でも彼に求めていたのは、ぶっちゃけていえば音楽、なんかじゃない。もっと表面的で浮薄な―――アイディアだ。

もし木村カエラや坂崎幸之助とのお遊びを、彼が「やるべき音楽」と認識していたのなら、そもそもはその程度の音楽家だったということだ。

モーレツな時代を生き抜いてきた団塊世代が、ビューティフルな老後に向かっていく。そんな生き方へのアイディアはなかったのか。

最後に、彼の語られ方でワタシがいちばん好きなもの。ミカバンドでロンドン公演を行ったときの報道より。34年前の今日。自害した日のちょうど34年前に、彼はロンドンにいた。

「リード担当の男性シンガーはおそろしく着飾っており、おそらく英国人が見た中で一番背の高い日本人だろう」(レコードミラー誌。1975年10月18日)

このフレーズは、今夜からマスコミに溢れるであろうとても凡庸な追悼文のどれよりも、彼の本質を捉えているはずだ。

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20091010/ビートルズは聴くものではなく読むものだ。


リマスター便乗本を山のように買い、読む。ほんとうにビートルズ関連の本を読むのは楽しい。

「ビートルズがはじめて4トラック・レコーディングをしたのは《I want to hold your hand》」

「8トラックは《while my guitar gently weeps》」

「初期はモノラルのほうが主流で、ステレオはまがいもの。ビートルズ本人も、ミックスダウンに立ちあわなかった」

「《She loves you》は1分29秒当たりでテープがつながれていて音質が変わる」

「武道館公演でビートルズは、ギターのチューニングを半音下げていた」

楽しい。ワクワクする。とくにワクワクするのは、このようなトリビア、それも、あの魅惑的な「音」をどう作ったのかという話に関連するものである。

つまりは、浪人時代、カセットの4トラックレコーダーを買い、理論的にはこれで《Sgt. Pepper's》と同じ音が取れるはずだと思い、ギターやベース、リズムマシンと、そのレコーダー、カセットデッキと格闘していた頃の興味の持ち方。

18歳の魂、42歳まで。

さて、リマスター盤、《Sgt. Pepper's》と《Abbey road》を買ったが、正直、音の違いはそんなにびっくりするほどのものではなかった。

理由のひとつには貧弱な装置で聴いているからだが、それよりも「CDの《Sgt. Pepper's》《Abbey road》をそれほど聴いていない」ということのほうが大きいと思う。

それらは大学時代、レコードで聴いていた。さらにいえば高校時代はカセットで聴いていた。それぞれ、マクセルのUD、TDKのADではなかったか。

つまり音質の差が草野球とプロ野球の違いぐらいあり、また時差もあるから比べることができないのだ。そしていうまでもなく、切実に響いたのは、あのころカセットで聞こえてきたビートルズである。

テープをつないで、ギターのチューニングを変えて、なんどもダビングして、4トラックという貧弱な機材で作られたマジカル・ミステリー・ワールド。

貸しレコード屋、さらにはFMの「エアチェック」。ヘッドフォン越しに聞こえてきたカセットのノイジーな音が連れていってくれたマジカル・ミステリー・ワールド。

素晴らしく劇的な出逢い。もうこれで十分なんじゃないか。

おそらくはじめて聴いたビートルズがCDだった層には、今回のリマスターは革命的に響くと思う。あと潤沢な装置で聴いている人にも。

ただ現実と格闘して、あまり時間もなく、それ以上にマスターテープをどう聴かせるか、ではなく、マスターテープに至るまでの過程にワクワクしてきたワタシにとっては、あまり必要ないものなのかも知れない。リマスター盤自体が。

むしろ、血肉化したビートルズについて、こんな文章を書き、こんな感じでパロディ曲を作ることこそが楽しい(あ、これは8トラック。理論的には《Abbey road》と同じ!)

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20091003/『キング・オブ・コント』必勝法。

たしかに東京03のコントは面白かった。が、もっと根本的なところで『キング・オブ・コント』は問題を抱えているという気がする。さらにいえば、それはコントというジャンルの問題だと思う。

「だって、いきなりカメラのフレームの外からダーッと走ってきて、パっと飛び蹴りして、そのままダーッといなくなったり(中略)、ああ、画面の向こうではすごいことが起きてる。 世の中は大変なことが起きているって思いましたよ」(高田文夫『笑うふたり―語る名人、聞く達人』

少年時代の高田文夫が、コント55号をはじめて観たときの感想。ワタシはこの文章が大好きである。「画面の向こうではすごいことが起きてる。世の中は大変なことが起きている」―――テレビでこんなことを思える瞬間、人生の中で何度もあることではない。

何がいいたいかというと「コント」と掲げておきながら、ほとんどが「テキストの笑い」であって、体技=「ムービーの笑い」で勝負しようとした出場者がほとんどいなかったこと。そのバランスの悪さが、ワタシにとって居心地の悪さだということ。

個人的な趣味で言えば、コントより漫才を愛する。それも言葉によった「テキストの笑い」の漫才をこよなく愛する。という立場からいえば、漫才というメインディッシュではない、前菜やおつまみ的位置のコントは「ムービー」であってほしい、さらに言えば運動神経がもたらす笑いであってほしいと思う。

それはコント55号であり(全盛期には間に合わなかったが)、さらには80年代後半に新宿コメディシアターで観た、ウッチャンのバック転である。

象徴的だったのはサンドウィッチマンで、マクドナルドのネタは漫才としてやっていたものである。完全なテキスト笑い。

ダイナミックな運動神経系コントが衰退した理由として、彼らの「ライブ」がいわゆる小劇場系の空間で実施されることが多いということがありそうだ。そもそもが小規模の舞台で、「カメラのフレーム」に収まってしまう小さな笑いが熟成されていくのではないか。

それはNGKに代表される大きな舞台で大きく鍛えられていく漫才とは違う、小さく狭い熟成の仕方。

ということは、逆に言えば、いま、そのような運動神経系コントで、停滞するコント界を出し抜ける可能性があるということだ。

「いまシーンを見渡したら、RCサクセションみたいないわゆるロックバンドがいないことに気がついて、その市場を狙おうと思った」―――伊藤銀次が、新人バンド、ウルフルズのプロデュースをするにあたってこのようなことを考えたと、いつかインタビューで言っていた。

はんにゃの金田の運動神経はそうとうすごいと思う。チャンスがあると思う。ウルフルズになれると思う。

10/4追記:ワタシのfavoriteコントユニット=『お笑いスター誕生!』時のアゴ&キンゾー。

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